特殊詐欺被害撲滅へ官民で断つ 業者が回線を停止

振込詐欺、特殊詐欺の重大な犯罪ツールとなっているレンタル携帯電話対策に携帯電話各社(docomo、Soft Bank)がようやく重い腰をあげた。ただ特殊詐欺の猛威が収まる気配はない。警察当局は多数のレンタル業者が詐欺グループと結託しているとみており、警察幹部は「また貸し禁止など抜本的な対策が必要だ」と訴える。 他人名義のレンタル携帯電話は、アジト、人員と並ぶ特殊詐欺の「三種の神器」の一つとして、詐欺グループが“重宝”してきた。利用者の特定が困難なため、レンタル携帯電話の蔓延(まんえん)は被害拡大の大きな要因になっている。 警視庁捜査2課が11月、詐欺被害金回復名目の詐欺事件の関連先として東京都渋谷区初台のレンタル業者を家宅捜索。インターネット回線を利用するIP携帯を20台以上提供していた、携帯電話の貸与時以外にも詐欺グループと複数回連絡を取り合っていたことが判明しており、捜査2課は業者が詐欺グループの支配下にあったとみて実態解明を進めている。 警察当局は特殊詐欺撲滅を目標に掲げ、摘発を進めてきたが、捜査幹部は「捜査が追いつかず、犯罪者にとってはいまだにローリスク・ハイリターンの犯罪だ」と打ち明けている。 切り札として警察当局が本腰を入れるのが、犯罪ツール対策だ。警視庁では1月に「犯行ツール対策センター」を開設。これまで各警察署で行ってきた詐欺に悪用された携帯電話の利用契約解除要請を専従班に集約することで、昨年は約600件だった解除件数が、今年1~10月末時点で約2800件まで増加した。 ただ、同時期の警視庁管内の特殊詐欺被害は既遂だけで1555件。NTTドコモが対策を強化した4月以降は、ソフトバンクの回線が犯行に使われるケースが急激に増えていたといい、詐欺グループとのいたちごっこが続いている、警察当局が後手に回ってる感が否めない。 被害相談を受けた警察が電話のレンタル業者を特定し契約者と利用者が違う事を確認した場合、レンタル業者の身元確認が不十分だとしキャリアがレンタル業者への回線提供を停止する仕組みとなる。

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